家庭のまつりには、神棚まつりと祖先まつリがあります。
日本では古くから、お正月にお迎えする歳神さまをはじめ、台所にはかまど神さま、井戸には井戸神さまなど、さまざまな神さまをそれぞれにおまつりしてきましたが、近世以降は、伊勢の神宮の御神札(神宮大麻)と氏神さまの御神札、また特別に崇敬している神社があれば、その御神札を神棚におまつりして、神棚まつりを行うのが一般的となって今日に至っています。
祖先まつりは家代々のご祖先をおまつりするもので、御霊舎で行います。祖先まつりを行うのは、古来日本では、祖先の霊はこの世にとどまって祭りを通して人と交わり、この世の子孫を守ってくれると信じられているからです。
ところで、祖先まつりは仏式が本来と考えている方が多いようですが、仏教はもともと神や霊の存在を認めるものではありませんから、仏壇による祖先まつりも、こうした日本の伝統的な祖先を敬う心を土台としているのです。